踏切の音を悲しく思ってて音を聞くたび月をかき抱く
じてんしゃとひととがゆずりあう道の隅にひっそり咲いたたんぽぽ
えきまえの花屋の前にあかい花 すきだと思った 通り過ぎた
太陽は(プリンセチアを知った日の)ヒロインのような響きがする
あかいろじゃなくてチェリーレッドというらしい なんか変だ、なんだか変だ
なんでかはしらないけれど風船がずぅっと遠くのそらを飛んでる
ミツバチも釣られてしまう匂いだとミスドの自動ドアをくぐった
えきまえのミスドでゴリラを考える ゴリラみたいな友人がいる
ゴリラの手ほんとに長い人よりも使いやすそういいなあ、ゴリラ
なんでもない何にもない日の白昼にがぶ飲みしているストレートティー
くうはくの隣の席にきた少女の憂いを帯びる眼は一重
しろい春 ミスドで麺を啜る子の持った蓮華がめに眩しくて
見てることバレそうだけどとりあえず紅茶を飲んで視線は外す
くうはくは空白になり冴えきった空気も光もぼくに射しこむ
ポン・デ・リングのポンの部分ひとつだけ残ったポンをくちに押し込む