またなんの悔いも落とさずゆく夏の終わりに眼鏡を作ったりする
季節から季節へ風が渡ります大きな大きな言葉でうたう
顔をよく見るために目を凝らしては硝子を削ることとして生
筋肉の弛緩するとき満ちるあれ、あれが天国です。とめどなく
海だけを映し続けてこの眼から「生きてみた」って動画をあげる
眼鏡すると木がぜんぶ葉に見えるでしょ そうだねとてもいい顔だった
森として立つ図書館の 見えますか 水たまりのようにある暗がり
レジュメのことをレジメっていう人なのか遠くの水辺に開くロゼット
大丈夫 誰かの外に雨を聞き70億の傘開かれる
すべてのものに名前をつける人のよう世界に切り離されたキッチン
生春巻きくらい優しくなるこれは生涯かけての生春巻きだ
だめだ言葉足りないなって思ったら君が来たいや、笑ってないで
もう浴衣は寒いからって言うそれが悲しいことが悲しいんだよ
君は知らずにいてください。堤防沿いのここから遠くへ続くのが嫌
人、多い。僕らのうちの何人が夏に許され見る花だろう
追う、零れる、遠くへ、まだだ、光、光、光 いいんだ君にカノンロックを
誰しもがその目に映すのだろう火を熱き火を なあみんな死ぬなよ
ローソンの敷地を斜めに突っ切った彼に月 美しい夜でした
駅からの長くておもんない道を行く 生きている限りスペシャル
美しく足掻けよ世界そして僕 秋はあなたの好きな季節だ
快速がloud louder 参ります、そしてloudestのまま遠く
ドはドーナツのドであるように僕を呼ぶ希望とは目を閉じて追うこと
「!」 このとき君に吸い込まれそれでも高く高く秋晴れ
翻る、るーるるるるる君の着るそれはなんという服ですか
定食屋の星占いの一〇〇円の分かつことだよ君と、そうでしょ
はいPeace なんでもないよひたすらに願いさ Peace 君に溢れる
そこまでは見送られると思ってたからこそ波打ち際だよ、またね
もう死んでもいい歓びとまだ死ねない歓びと街じゅうに夕焼け
言いそびれたことを数えて街灯の過ぎゆく速さこそが明日だ
これからは静かに攫われるばかり袖から手、出さんと危ないよ
逆剥けに血の滲むとき怖いなあ取り返しつかんやん生きるって
美しいっていわなきゃ報われないような羽化のさなかのような手紙だ
屋上の貯水タンクの風に冬すっげえこれもう僕いらないじゃん
世界じゅう舞い降る手紙、これは喩で誰もあなたを奪えはしない
こんなとこで寝たから引いている風邪よ詩型にできる限りの愛を
立ったままシャワーを浴びて湖のかけがえなさが僕にもあって
イオンに光溢れて僕にはどうしても勝てんやろって一瞬がある
手をつなぐときどちらかが冷たくてなんで人ってこんなにむずいん
血の巡る速さがひとにあることのあなたがあなたを擦り切らぬよう
吐く息が白い、ほら、ほら。憧れに生まれ変わりたくなんてなるなよ
白妙の布 もうなにも(君を他者のひとりと見れなくたって)いらない
風が葉の乾きをなぞるそうだよな願わなくても君であるのに
この林檎が色づくよ冬、僕たちはどんな服を着て会うのだろうか
袖口の下に小さく脈を持ちあなたが守るものごと守る
祝福をそれは神よりとかでなくそうだなあ ギターを習おうか
光は光を振りまきながら遠ざかる君なら見送るほうが好きだよ
あーこれ知ってる卒業式で流れてたやつでしょ もうすぐ春だね だって
嫌いな奴が茄子をお茄子と呼んでいた、そんな感じだ 初雪の降る
お風邪などひいてませんか僕はいまとっても広いとこに来てます
風を暮らしをあなたを祈る螺子を巻く最後に人が込める力よ